なまず婆との思い出を胸にいよいよ羽田から香川へと飛び立つ。
窓際の席をリザーブし、出発を待つ。 私は飛行機の窓が大好きで、空いているなら必ず窓際を取る。そして離陸から着陸までほとんど外を眺めている。 小さくなる町並み、近づいてくる滑走路、雲海…どれもすごく好きだ。 富士山が見えるルートならば確実に見える側を選ぶ。晴れていてキレイに富士山が見える時などははしゃぎたいほど嬉しくなるのだ。 そんな私なので、今回もいつものように窓にベッタリと顔を付け、外の様子を眺めていた。 クンクンクン。 なんだかしょっぱ臭い。なんだろうこのにおい? !!! そうだ!納豆のにおいだ! JALの機内ではドライ納豆を販売しているはず。 後ろの席のおじさまがきっと食べているんだな。 気を取り直してまた窓に顔を近づける。 うぅ。また臭い。 どうしてだろう? 普通に正面を向いている時にそんなに気にならないのに、窓に顔を近づけると納豆臭い。 窓に近づいたり離れたりしながらしばし考えていた時、ふと視界に飛び込んできたもの。 !!! オッサンの足! 革靴を脱いだオッサンの足! オッサン靴下をはいたオッサンの足! ムレムレのオッサンの足! 後ろの席のオッサンが、革靴を脱いで、あろうことか私のシートと壁の間にグイグイと足をねじこんでいるではないか!!! なんと私がクンクンと嗅いでいたのはドライ納豆ではなく、オッサンの納豆臭い足! 私が窓に顔を寄せると、ねじ込こまれた納豆足が顔の真下に来ていたという訳だ。ヒドイ! そのにおいの元がオッサンの足だと気づいてからというもの、私のテンションはぐんぐん急降下。 無事に飛行している香川行きの便の中で私だけが墜落の危機にある。 さらに、ジッとしていてくれればいいのに、納豆オヤジは私のシートと壁との狭い空間で、その圧迫感を利用し、もぞもぞと足を動かしてマッサージ効果を得ようとしている。 においが広がる。 窓の外を見るのを諦め、この状況をなんとかしようと考える。 えづいて咳がでちゃうくらい臭い。 良い考えが浮かばないくらい臭い。 1:足、臭いんで、引っ込めてもらえますか? 2:足、臭いんで、引っ込めてもらえますか? 3:足、臭いんで、引っ込めてもらえますか? うぅぅ。 言いたい!でも言えない!ああもう!臭い! 早く!なんとか!なんとかしなくちゃ!私の気持ちが墜落してしまう!! 4:臭いものにフタをする コレだ! とにかくにおいを遮りたいと思った私は、シートと壁の間に機内販売のカタログを広げ、その上に安全のしおり、ヘッドフォンの使用方法等を広げて、上からひざ掛けをかぶせた。 ムレムレの足がさらにふたの中で蒸らされてしまうかもしれないが、とりあえずにおいの遮断には成功。 乗り物で移動中に革靴を脱いでしまいたい気持ちはすごくわかる。 1日歩いて、マッサージしたい気持ちもわかる。 でも、その足が蒸れて臭いのならば、においの発散を最小限に食い止めることはサラリーマンの責務ではないのか。 足を引っ込めて、と言えなかった私の弱虫っ。 もっと強くなりたい!と思いながら荷物を下ろす納豆オヤジの横顔を見つめた。 靴をはいてさえいてくれたら、納豆オヤジは普通のダンディなサラリーマン。 残念でならない。
by yukiya-13
| 2007-03-09 18:23
| 遠出&ごはん
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