カテゴリ:富士登山( 12 )

プライスレス

山形からの富士登山にかかった交通費 34,760円

ワクワクを一緒に詰め込んだザック 6,000円

登山靴や暗闇を希望へと照らすヘッドランプなど 14,500円

仲間たちとの楽しい食事や命をつなぐ非常食 4,460円

登山の苦楽を共にした金剛杖・記念の焼印 1,450円

山のトイレ 500円

頂上での格別の味わい「ご来光うどん」 900円

下山後の汗を流した溶岩温泉 1,000円

山梨名物の熱々ほうとう 1,100円

お土産で感動のおすそわけ 1,500円


登頂の感動 プライスレス

新しい出会い プライスレス

ご来光と雲海 プライスレス

高山病 プライスレス

筋肉痛 プライスレス

お金で買えない価値がある。
富士登山。

みんなも登った方がいいよ。たぶん。
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by yukiya-13 | 2005-08-08 13:23 | 富士登山

富士登山10<ただいま>

中央高速をひた走り東京を目指す。
天気の良かった週末の高速道路は早くも混雑の様相。
バスの運転手は混んでいるせいかちょっとイライラしている。
イライラしたって渋滞が解消されるわけじゃないのに。無駄なエネルギー使う人だなぁ。

高速道路は途中から完全に渋滞にはまってしまい、ほとんど動かなくなってしまった。
まぁ、乗客のほとんどは熟睡してしまっているので誰も気にしていないようだが。
新幹線の最終時刻と現在位置からの距離をなど計算して、ドキドキしていたのはきっと私ぐらいだろう。
高速道路を低速で通り抜け、何時間か遅れでようやく都内へ入った頃にはもう完全アウトの時間。
ドキドキ損であった。
諦めて、まんぷく宅にもう1泊させてもらうことに。

時間ができたので新宿でのんびりお茶を飲む。
山梨ではすごくさりげない存在だった金剛杖も、新宿の喫茶店の中では一気に存在感を増してしまう。荷物分の席までリザーブ。
疲れてはいたものの、話がおもしろいのでとても楽しく過ごすことができた。
ステキなお茶会だった。


一息ついてそれぞれの家路へ。
帰り道で栄養ドリンクを買って帰る。コレを飲んで明日の朝一の電車に乗らなければ。
まんぷく宅に到着し目覚ましを借りる。時間をセットし着替えて横になると、いつ眠ったのかもわからないくらいあっという間に深い眠りにおちた。


ジリリリリリッリ〜。けたたましくベルが鳴る。4時半。
使い慣れない目覚まし時計なので、止め方がわからず焦る。
ようやくなんとか時計を止め、帰り仕度。
まんぷくちゃんはぐっすり寝ているようなので、起こさずにそ〜っと出てきた。

歩いて駅に向かうと、すでに筋肉痛がやわらいでいる感触。
温泉でマッサージしたのが良かったのか、昨日の栄養ドリンクのおかげか、日ごろの筋トレの賜物か、富士山の魔法なのか・・・。

「8合目でY字バランスしとくと、次の日の筋肉痛が和らぐよ!」って教えたら誰か実践してくれるかな。


金剛杖を片手に乗り継いで東京駅へ。
夏休みに入っているためか朝一の新幹線からすでに混み始めている。早めに出てきて良かった。席を確保し気持ちよく熟睡。目覚めるとすでに福島も通過した後だった。

9時過ぎに山形到着。
金剛杖を手に新幹線を降りる準備をしていたら、近くの席のおじさんが杖を眺め「富士山に登って来たの?頂上まで行けた?」と聞いてきた。
「ハイ!登ってきました!」と答えると「実は俺もきのう登って来たんだよ〜!!」とおじさん。
なんという偶然。
ここにも山形から富士登山に行き、早朝の新幹線で戻って来ている人が!!
ちょっと嬉しくなって富士登山について語り合う。

あの人たち富士仲間なんだわ・・・。

という周囲の空気に勝手に優越感。

あたくしたちっ日本一のお山に登ったんですのよっ。オホホホホ。
あの、感動、みなさまにはお分かりにならないかもしれませんけどっ。

まぁ、実際は誰もうらやましいと思っていなかったかもしれないけどさ。


おじさんと駅で別れ、ますます元気になって自宅へ向かう。
そう何日も離れていたわけではないのに、なんだか懐かしささえ感じるわ・・・。
おおっと、感傷に浸ってるヒマはない。
お風呂に入り洗濯を済ませ、身支度。

そう、そのまま仕事に行ったんですよ、ワタクシ。
お土産を片手に午後から出勤。疲れて仕事ができないかと思いきや、リフレッシュできてたせいかバリバリと仕事ができた。
オンもオフも充実してるっていい気分だな。

エライなぁ。タフだなぁ。って自分で自分を褒めまくった。


いろいろあったけど、元気に無事に帰ってこれてよかった。
登山は間違いなくツライけど、辛さに勝る景色や経験が富士山にはあるよ。
しかも、私は人にも恵まれて、ただの登山以上に何倍も楽しい経験をしてきたんじゃないかと思う。
フセさん、西8さん、トリさん、標本さん、まんぷくちゃん本当にありがとうございました。
また、遊んでください。

うかつにも富士登山を全部読んでしまったあなたもお疲れさまでした。

登ってないなら登るといいよ。
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by yukiya-13 | 2005-08-08 09:30 | 富士登山

富士登山9<温泉・ほうとう>

河口湖駅まで戻り、新宿駅までのバスチケットを手配。
元気になったフセさんは昨日のようにテキパキと働いてくれている。 さすがフセさん。あなたがいて本当に良かった。
フセさんがテキパキと受付のおばちゃんとやり取りをしていると、傍らにいたまんぷくちゃんに向かって受付の人が「アンケートお願いします」と1枚の紙を手渡した。私にもフセさんにもその用紙は手渡されない。
こっそりのぞき込むと、アンケートには日本語だけでなく様々なお国の言葉で質問事項が並んでいる。

「あなたの出身国は?」
「バス案内所の外国人向け表示は見やすかったですか?」


どうやら、さまざまな国からやってくる富士山観光客に対して、案内はわかりやすかったかを問うている。
まんぷくちゃんは日本人だ。生粋のニッポニアニッポンだ。
出身国「宮城」とでも回答しろというのか。
おばちゃんの瞳には、フセさんはチケットを取り仕切るツアコンに、私は通訳のようにでも映っていたのだろうか。まんぷくちゃんは何国人に見えたのだろう?

明らかに困惑しているまんぷく。
おもしろいので、「彼女日本人なんですけど・・・」とは最後まで申し出ないでおいた。


バスの手配を済ませ、近くの「溶岩温泉」へ。 早速、薄汚くなった体を温泉で洗い流す。サッパリ。
湯舟で足をマッサージ。 ほぐされていく筋肉がまた気持ちいい〜〜〜。 着替えも済ませて休憩所でマッタリ。畳と扇風機が気持ちいい。
日本人で良かった。あ、まんぷくちゃんへのイヤミじゃないよ!

溶岩温泉のあとは山梨名物の「ほうとう」を食べに行く。
私はほうとう初体験。
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どんなものかもわからず注文したのだが、たくさん野菜の入った味噌煮込みうどんといった感じ。
カボチャが入っていることにちょっとびっくりしたが、カボチャあってのほうとうだと教えられた。
カボチャは意外にうどんにマッチしていておいしい。
ついでにちょっとだけ飲んだビールは温泉後のほてった体に染み渡り、富士山を制覇した爽やかさとあいまってすんごくおいしく感じられた。


ほうとうにおなかも心も満たされ、バス乗り場へ。お土産に「信玄餅」と「富士山クッキー」「桃まんじゅう」を購入。

新宿行きのバスに乗り込み、富士山に別れを告げる。
きっと、もう二度と会えない・・・。
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by yukiya-13 | 2005-08-07 15:34 | 富士登山

富士登山8<下山>

山頂も満喫しいよいよ下山。
私は無駄にますます元気いっぱい。8合目であれだけ心配をかけたのがウソのようだ。
代わりにフセさんがここにきて急激にパワーダウン。
あまりに辛そうなので、荷物を代わりに持つことを提案し、とりさんに持たせる。提案しといて他人に持たせる私。だって、とりさん元気なんだもん。若いし。

8合目から生まれ変わったように異常に元気になった私。
もしや私がフセさんの元気を吸い取ってしまったのだろうか・・・。
吸い取った覚えはないのだが、なんだか申し訳ない気分になったので、私もちょっとだけ荷物を持った。

下りの道はジグザグに何度も折り返す何の面白みもない砂利道。同じ景色が幾度となく続き、精神的に参ってくる。徹夜で11時間も山登りをした肉体的に限界近い身体はどんどん蝕まれていく。メビウスの輪ってここかしら〜???って思っちゃう。
砂ぼこりが舞うのでみんなタオルやら手ぬぐいやら顔に巻いている。すごく怪しいがほとんどがそんな格好だし、みんながみんな疲弊しきっているので笑う人もバカにする人も突っ込む人もいない。

重力に身をまかせザクザクと降りて行くと、ようやく植物の緑が目に飛び込んで来た。景色が変わるとやる気が出る。緊急避難所という建物も見えて来たのでなんだかゴールも近いような気がしてテンションが上がる。
けっこう下ったもんなぁ。下りは早いだろうし、もう着いちゃうのかも!!
登り始めの頃にもらった簡易地図で現在位置を確認。もう6合目あたりかしら〜♪なんて気分よく地図の広げたらそこはなんと下山道のようやく中間地点であった。

あぁぁぁぁぁ。
地図見なきゃよかったかも・・・。

ダメージを受け休憩していると、すぐ後ろから「ノリで登山に来ちゃったっぽい今どきの若者」が同じようなテンションで地図を広げ、またまた同じように「うぉ〜まだ半分かよ〜」と言って崩れ落ちた。そしてそのまま大の字に寝そべり、「悔しいからみんなに同じ思いをさせてやるっ!!」と言って後ろに続く見知らぬ人々の列に向かって「みなさ〜ん、ココでまだ半分ですよ〜」と大声で叫びだした。ステキな若者だ。
希望を打ち砕くその悪魔のような宣告を聞きみんなうなだれる。
まぁ、どっちみち残り半分歩かなきゃいけない訳なので、希望的観測を早めに打ち砕いてもらったことで、現実としっかり向き合えてかえって良かったような。

「まだここは半分」という現実を、ボロボロのハートで受けとめてさらに下る。植物が登場してちょっと嬉しくなっていたのだが、ここからしばらくは「少しだけ植物が見える」同じ景色の繰り返しゾーンに突入。「砂利と赤土」リピートが「少しだけ植物が見える」リピートに変わっただけだ。滅入る。たまに足下から吹き上げてくる雲からマイナスイオンを吸収してがんばる。

しばらくすると標高も下がり酸素濃度も高くなってきたせいか、フセさんが回復の兆し。
酸素って大事だ。

同じような景色をくり返し、ようやく登山道の登り口付近に道が合流。
あぁ、きのうこんな道通ったなァ...と遠い昔のように思い出される。
元気いっぱいにこれから登山に向かう人たちとすれ違う。こちらはもう産卵後のシャケみたいな状態。
キャッキャッ言いながら歩いてくる人たちをみると、なんだかこ憎たらしい。
昨日の夜まではあちら側の人間だったのに。
一晩にして対岸にまで運んでしまったフジヤマ。もうあの頃の私には戻れない。

だって私、登っちゃったんですもの、富士山。
そんでもって、帰って来ちゃったんですもの、5合目まで。

見覚えのある土産物屋が立ち並ぶ風景。観光客、登山者がごった返す広場。
・・・・・帰って来たァ〜。

全員無事に帰還し、帰りのバスの時間を確認。河口湖駅までのバスは往復券を買っていたので時間さえ合えば乗り込むだけだ。
おのおの着替えをしたり、お土産を買ったりして過ごす。

長い1日だったなぁ・・・。
徹夜で11時間山に登るなんて。
4時間も坂を下るなんて。

なんて非日常的なの。富士山じゃなかったらこんな生活絶対できない。
こんな無茶もまかり通るのだ。それが富士。

しかも、辛さを忘れてくると「また登ってもいいかも・・・」みたいな気持ちが沸き上がりそうになって、冷静な自分が「バカ!やめろって!!」と必死で説得している。
正しい判断もできなくさせるのだ。それが富士。


富士山の余韻にひたりつつ帰りのバスに乗り込む。
膝は笑うどころの話でなく、ドリフを見る小学校の頃の私くらい大爆笑中。
筋肉痛は必至だなぁ。


*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
あぁ〜長い。長い。
あたし、山形まで帰らなきゃ終われないのに。
まだ遠いなぁ、山形。
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by yukiya-13 | 2005-08-07 12:24 | 富士登山

富士登山7<頂上>

御来光を全身に浴び、ますます元気になる私。
さっきまで冷えていた身体もポカポカしてくる。太陽の暖かさをありがたく実感。
富士山ってやつぁホントにいろいろ教えてくれるなぁ。

太陽もすっかり顔を出すと周りの景色もハッキリと見えるようになる。
目指す頂上ももうそこまで見えている。
そこここに腰を降ろし、御来光を眺めていた人々も再び山頂へと列をなし動き出す。
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列に加わり登山再開。見上げると頂上までの長い列。
下を見れば8〜7合目まで途切れなしの人の列。
カラフルなアリンコの行進みたいだ。

行列のスピードに合わせゆっくりと登り続けてようやく頂上の鳥居をくぐる。
やっぱり嬉しい。
あれだけ何の未練もないくらいリタイヤ気分だったクセに、ここまでくると「リタイヤしなくて良かった」なんて思えてくる。9合目あたりから異常に回復した自分の体調に感謝だ。

頂上で、バラバラになってしまっていた仲間を探す。何分かの時間差で全員登頂。
疲れてはいるものの充実感でいっぱい。

登り切ったということは、これから同じ分だけ自分の足で下って行かなきゃいけないということ。
あまり考えたくなかったので、登頂の余韻に積極的にひたり、現実はなるべく直視しないようにした。
そんなことしても、結局自分の足で下るしかないんだけど。

とりあえずは休憩と腹ごしらえをするために頂上にある休憩処に入り、「御来光うどん」を注文。900円。地上だったら高いな〜ってグチりそうな値段だが、うどんとダシと生卵をここまで運んで来ただけでも立派だと思うので惜しみなく支払う。
「御来光うどん」は地上でいうところの「月見うどん」なのだが、富士山頂なんだから月見なんて不粋な言い方しないのだ、きっと。

「御来光うどん4つ!」と注文。
すると店のおっちゃんは「ハイ!月見4つね!!」って応えやがった。

くっ。

なんか悔しい。
まぁね、日本一の富士山の上じゃ、卵が太陽か月かなんてちっちぇことだがね。
どっちでも結局そのうどんはとてもおいしかったのだ。
それだけが真実だ。チュルチュル。


お腹も落ち着いたので、富士山の火口を見学。バカでっかくどかーんと穴が空いている。

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「お鉢巡り」といってその火口をぐるりと1周することもできるらしいのだが、だれもそのプランには賛成しなかったので却下。もし万一みんなが行くと言っても、私は行かないと言っただろう。これから下山が待っているというのにプラス1時間のお散歩なんて体脂肪が燃えると言われたってノーサンキューだ。
火口の写真も撮ったのだが、御来光同様こちらも本物の迫力に遠く及ばない。
自然の偉大な姿というのは、人工物の枠なんかにはとても入りきらんのですよ。

いよいよ下山が迫った時、とりさんと標本さんが近くの小高い丘までは行きたい、と言い出した。
下山道の近くには、頂上の頂上とでもいうようなちょっと高い場所があるのだ。

私はまんぷくちゃんと荷物番をすることにし、二人を送り出した。
嬉しそうに駆け上がって行く二人。元気いっぱいだなぁ。
とりさんは軽やかに、標本さんはちょっと無理して駆け登っている。
こんな酸素の薄いとこで走っちゃダメだよ。しかも5つも若いコと一緒になんてさ・・・。

しばらくすると満足そうに二人は帰って来た。ちょっと高いだけで景色が変化すること、柵が頼り無くてドキドキしたこと、ついでに標本さんは、走ったら苦しかったってことと、実は高い所はあまり好きではないことをカミングアウトした。
そんな今さら。
しかもここだけの話、彼は今年2回もバンジージャンプしてるのだ。

やっぱりMなんだな。
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by yukiya-13 | 2005-08-07 06:31 | 富士登山

富士登山6<御来光を浴びる>

リタイヤするであろう次の山小屋を目指し歩き出す。
おや?
おやおや?
身体が軽い。どうしたことか、さっきまでの苦しさがウソのようだ。

Y字バランスをしたからなのか、タイツをはいたからなのか、荷物を持ってもらったからなのか、なぜだかよくわからないのだが突然、苦しさから解き放たれた。

今まで憑衣していた何かがスッポン!と抜けてしまったような身体の軽さ。
自分でも信じられない。
理由はともかく良かった。

この辺りから山頂へ向かう登山者が列をなし渋滞が始まる。まったく前進できない状態。
自分のペースを乱されここからダウンする人が増えていたが、私はこの超スローペースで休めたおかげもあってか、ますます元気を取り戻していった。

山は気まぐれ。さっきまでグロッキーだった私はどこへやら。
亀より遅いスピードで最後の山小屋の前に到着。
ここでリタイヤしなければ、後にはもう山小屋はない。
ついさっきまで絶対リタイヤ!と思っていたのに快調になってきた私はここもスルーし、みんなと一緒に頂上を目指すことにした。

ちなみにここは本八合目というらしく、「さ、さっき八合目だったじゃん!?」と疲れた旅人を困惑させる。
元気になっていた私もこれにはちょっと心がやられそうになった。
ウソでもいいから「9合目」って書いてて欲しかった。

富士山は8合目からが長い。6、7合目なんてまやかしだ。
そういえばさっきの看板には「ここから八合目」って書いてあったなぁ。
人生も、終盤、詰めの所からが長くて、辛くて、重要なんだろうな。
そういえば、あたしは人生でも諦めると決めたら決断が早いよなぁ・・・。
頂上へ一片の未練もなかったもんなぁ・・・。

富士山って深いな..。
渋滞の待ち時間に人生と富士登山を重ね合わせてみたりする。

ホントにゆっくり、ゆっくりと頂上を目指す。渋滞がひどくてこのままでは頂上での御来光は無理そうだったが、どうだって良くなってた。適当に見れるところで見ればいいや。

無心に登っていると、ゴールの頂上も目前で東の空がゆったりと白んできた。
もうすぐ夜が明ける。
登りながら御来光を眺めるポイントを探す。
ちょっと道幅が大きくなったところで腰を降ろしそこで夜明けを待つことにした。

空が明るくなり始めてからけっこう時間をかけて太陽は顔を出した。

周囲に何も邪魔するものがない。
視界いっぱいの雲海に光のすじ。中央に赤く燃えるような光。
濃紺から赤、そして雲の白へのグラデーションがたまらない。
ここぞとばかりに写真をたくさん撮ったけど、肉眼で見たあの景色には遠く及ばないものばかり。

ゆっくり、ゆっくり差す光。

想像していたような感動と涙!みたいな状況にはならなかったけれど、
もっとリアルに生々しく冷静にスゴイ!と感じられた。

これがあるからきっと、もう一回登ってみようかな?って思っちゃうのかもしれない。
イヤ、イヤ、そんなこと考えちゃダメだ!あたしっ!



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手を合わせて拝めばいいことあるかも。
しかし、写真じゃ半分も伝わりませんな。実物見ないとダメ。
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by yukiya-13 | 2005-08-07 04:45 | 富士登山

富士登山5<3100mのY字バランス>

a0034014_23312923.jpg食べる酸素をボリボリ食べたり、酸素缶を吸わせてもらうも、回復の兆しがみえない。
周りも本人も頂上まで行けそうにないなと思っていたので、下山道との合流地点の山小屋までがんばってみて、無理ならリタイヤしようと心に決めた。
なんにしろ次の山小屋までは歩くしかないので、とりあえずトイレに行き、ついでに寒さ対策にタイツをはくことに。

まず、登山靴を脱いでその上に乗り、雨具の下とズボンを脱いで片足をタイツへ。狭いトイレの中で床に素足を着いてしまわないように細心の注意を払う。
片足をそっと上げタイツの中をくぐらせ、片足でつま先立ちになった瞬間!!!

!!!!!!!!

つつつつっつつつつツッてる!!左足がっ!!
ものすごい勢いで疲労した左足がつっております!!
意図しない方向に引っ張られ、曲がる足の指たち。うひょーキモイ。

狭いボックスの中、ひとり悶えながら、なんとかして筋肉を伸ばさないと!と思っている体育会系な私の脳みそ。
足を横に伸ばせるスペースはなかったので、思いきってY字バランスをし、足の親指を身体の方へと引っ張ってみた。
おぉ、治っていく〜。良かったぁ。

a0034014_2304923.jpg
タイツを片足だけはいて、Y字バランス。
頭にはヘッドランプで、Y字バランス。
パンツ丸見えで、Y字バランス。

誰にも見せられないよ、こんな姿・・・。いや、見せないけどさ。
でもY字バランスができたおかげでこむらがえりを収めることができたのだ。
新体操やってて本当によかった。富士山で役に立つとは思わなかったよ。

もう片方もツラないように慎重に足を通し、タイツ装着。あったかい。
みんなの所に戻ると、心配そうに迎えられた。きっと気分が悪くてトイレにこもってたと思われていたのだろう。ホントはY字バランスしてたんだけど。

トイレから戻ると、なんだか苦しさがやわらいでいる。
Y字バランスしてバタバタしているうちに身体が慣れてきたのだろうか。

しかも、ここで若いとりさんが、「荷物少し持ちますよ」と天使のような申し出をしてくれた。
とりさんは新宿で会った時よりも、5合目で見た時よりも数段カッコよく輝いて見えた。
お言葉に甘え飲み物を持ってもらうことに。
満天の星空の下、若さのすばらしさと生命の5年の歳月の差の大きさを思い知った8合目。
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by yukiya-13 | 2005-08-06 23:01 | 富士登山

富士登山4<高山病>

7合目までをあっさりとクリアし調子に乗って8合目を目指す。

さて、「お調子者」といえば、学校の先生や母親、クラスの学級委員長などによくいさめられている存在だ。
「カツオ君たらお調子者ね!!」みたいに。
お調子者は調子に乗り過ぎて痛い目にあったり、トラブルを巻き起こしたりして厄介なのだ。だからみんなカツオを牽制するのだ。
お調子者は、牽制されてもたいていの場合賢者の言うことを聞かず、痛い目にあってから泣いて後悔したりする。調子にノリノリだった分、凹み度も大きかったりする。

私の場合ふざけて調子に乗った訳ではなかったのだが、前半、あまりにもゆとりのある出来ばえでクリアできてしまったことや、満天の星空、下から見える花火など、夢心地の異空間が私を自然と調子に乗せてしまったのだ。
お調子号:富士山行き〜GO!GO!。

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8合目に入る辺りから極端に体調が崩れ出す。GO!GO!とか言ってらんない。
頭痛、吐き気、めまい、酸欠。
おぉ、これが高山病か・・・。高山病満喫!!っていうくらい高山病。
ついさっきまで「北斗七星が横に見えるぅ〜」「きゃ〜流れ星!!」「天の川ステキ!!」とか言ってた私はもういない。上を見るとそのまま後ろに倒れそうだ。
私のジョイフル気分を返せ!高山病め!

意識して深呼吸し、深く息を吸おうとするが全く肺が膨らまない感覚。息が吸えない。身体はまだまだ動ける感じで意識もしっかりしているのに、呼吸だけがどうしても上手にできない。しんどい。
もう少し、もう少しとごまかしながら登っていたが、8合目の山小屋の前でかなりグッタリとしてしまった。同行のみなさんもかなり心配してくれて、ゆっくり時間を取って休ませてくれた。楽しい話をいろいろとしてくれていたようにぼんやりと記憶しているのだが、ニコリともできなかった。ごめんなさい。
「もう二度と登らない」とハッキリ、クッキリ言い切ったことだけは覚えている。

こうなってくるともう修行で、自分の中の何かと戦い出したり、こんなに苦しい思いをして列を作ってまで登ってるコイツらなんなんだ?とか考え始めて無限ループ。
「みんな何のためにこんなことして頂上めざしてるんでしょうね・・・?」なんて質問して、「君もそのうちのひとりだから」と突っ込まれ
「みんなすんごいMなんだな、アホだな」と言っては「君もだからね」と諭される。

そこに山があるから登るのだ、と言った人はすごいな、と思う。ちょっとだけ気持ちがわかった。
苦しいし登っても何もないんだけど、ここに富士山があるから登ってるのよねん。あぁ。

頂上とか、御来光とか、ここまで来てもったいない、とかそんな気持ち一切ゼロ。
「御来光の時間には起こしてあげるよ〜休憩3000円!」と客引きしている山小屋のおっさんの甘い誘惑にコロっと負けそうだ。

「8合目でもここがあたしの頂上だもん!」とか「あたしがんばった!」とか変な前向き志向が湧き出る、湧き出る。

すごいよ、高山病。
ダメな自分をかなり積極的に肯定させる力があるよ。
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by yukiya-13 | 2005-08-06 22:11 | 富士登山

富士登山3<5、6、7合目>

バスに揺られて5合目到着。そこはお土産やさんや食事処が立ち並び、大勢の人でごった返していた。富士登山シーズンのど真ん中の土日だから仕方ない。年間20万人もの人が登るのだ。
後から調べたら、その日は河口湖の花火大会の日、富士登山駅伝なども重なっていたようで、ただでさえ混み合うシーズンの中でも最も賑わっている日だったようだ。

5合目に到着し、気圧に身体を慣らすため、食事をしたり体操をしたりとグダグダ過ごす。持ってきた非常食を見てみると袋がパンパンに膨らんでいる。
高いところに来ているんだなぁと実感。この時点では全く身体に異常はなく、ちょっと肌寒いくらいで元気いっぱい。
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のんびりしながら土産物屋の上を見上げると真っ黒な山のシルエット。富士5合目に居ながらさらに高い山頂が見えるってことはきっとアレが富士山だろう。っていうか、すでに自分が5合目にいるんだけどね。

まだまだ富士山は幻想の中にあるなぁ。

しばらく身体を慣らし、寒さ対策も行っていよいよ登山開始。
ヘッドランプを着けて歩き出す。いよいよ登山が始まったワクワク感もあって楽しく歩き出す。ここで嬉しくなり過ぎて調子に乗ると後で大変なことになると経験者の富士登山HOW TOサイトに書いてあったので、ワクワクを極力押し殺してダラダラ歩く。富士山に来てまでする必要のないような相談ごとなどしながら歩く。歩き始めの道は緩やかで道幅も広く、登山というよりハイキング気分。

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程なくして6合目到着。
どうしよう。全然余裕だ。こんなにすぐに1合分も消費して良いのだろうか。ちょっともったいないような気さえした。この時はね。
順調だね〜なんて言いながらさらにズンズンと進む。


難無く7合目も通過。
写真を撮るもの忘れるぐらいあっという間。
どうしよう、どうしよう。全然余裕だ。富士山ってこんなに簡単でいいの?もう3合分しかないじゃん。
なーんて思ってましたよ、この時はね。えぇこの時までは。

6合目、7合目をあまりに簡単にクリアできてしまった私。
ここで富士山をなめてかかってしまったかもしれない。

これから襲い来る恐怖も知らずに・・・。
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by yukiya-13 | 2005-08-06 20:30 | 富士登山

富士登山2<河口湖駅>

新宿から河口湖駅へ。
これから富士山に登るというのに、なんだか景気の悪い天気。登山に対する気持ちが萎えはじめる。
というか、昨日から一度も「登るぜ!」みたいな熱い気持ちになっていないのだが。
思えばこの企画に参加しようと決めた時が、一番熱かったような。

途中、富士急ハイランドを経由していく時には、目の前の富士急ハイランド「フジヤマ」に引き寄せられおもわず下車してしまいそうだった。
装備が万全じゃない人もいるし〜、曇ってるし〜、富士山なめちゃだめだよね〜、ここでもよくないか〜?みたいな。冗談っぽく言ってたけど、誰かが強く降りよう!と言ってたら降りてた気もする。
「山形から来てる子もいるのに、ここで富士山行くの止めようとは言えないよな〜」という気持ちがちょっとだけブレーキになったのかもしれない。

まぁ、山形から来た当の本人が、もう危うく降りちゃいそうでしたけど。

フジヤマの誘惑にもおざなりに打ち勝ち、バスは河口湖駅へ。
ここまできたら、もう何事もなく登るだろう。と思いきや、またもハプニングらしいハプニング発生。
西8さんがバスの中にお財布を忘れてしまったのだ。
いつも準備したりしない「靴」なんか準備するから、大事な防寒具やお財布忘れちゃったんだ。きっとそうだ。慣れないことはしちゃいけないんだ。
西8さんはもう靴はかなくていいと思う。いつもの鉄下駄で。
靴をはくと、靴に気をとられていろいろ忘れちゃうよ。
しかし「いつもの鉄下駄」って何だろう?
お財布はバス会社に連絡をいれ探してもらう手配をした。とりあえず一安心。

河口湖駅からは河口湖5合目行きのバスへ乗り換えが必要。
フセさんはてきぱきとチケットやら時間やら取り仕切ってくれる。
この人がいて本当によかった。のどやられてるけど。
乗り換えのバス停は国際色豊かな登山者でごったがえしている。さすがフジヤマ。外国人も「ニッポンにキタラノボラナキャネー」って思うんだろうな。
しかしまぁ、外国人は軒並み軽装だ。軽装なのかどうなのか判断しにくい民族服の方もいらっしゃるけど。
タンクトップに短パンの金髪ギャルを見れば、とりさんの装備がけっこうまともに見える。
登れるかもしれない!と自分たちよりも富士山適応度の低い人を見て安心する。比べる相手が外国人旅行者、こちらは複数回登山経験者という時点でちょっとダメダメな気もするが。

次のバスに乗ることを決め、のんびりとコンビニで買い物をしたり、軽く食事をしたり。
とりさんと私はここで金剛杖を購入。上に行けば行くほど値段が高くなるらしいので。
すでに金剛杖を所持している西8さん、フセさんの杖には頂上登頂のはんこやら、8合目、7合目と玄人っぽくたくさんの焼印が入っている。ちょっとカッコイイ。
早く焼印入れたいな。
おぉ、なんだか登る気が出てきてるじゃないか、私。

バスの時間になりぎゅうぎゅうと乗り込む。バスの中は陽気な外国人の会話でにぎやか。山道をくねくねと登っていくとようやく、山に登るんだよなぁ、という気持ちが現実味を帯び、ちょっと高揚してきた。
って今頃?


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一緒に登った標本さんも話を書いています。
左側のメニューのリンクの「私的標本」をクリック。
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by yukiya-13 | 2005-08-06 17:06 | 富士登山