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献血と乙女心

会社で献血をした。私はこれまで1度だけ献血をしたことがあり今回は2回目のチャレンジ。
何分も腕に針を刺しっぱなしにして、血液を抜き取るなんてマゾチックなことできるかよ!と思っていたのだが、知り合いが白血病で亡くなったのを目の当たりにした年、健康な人間が簡単にできることだし、とチャレンジしたのだった。相変わらず突発的に安い志でボランティアに取り組む私。

かなり緊張して受付に行くと、一目見ただけで「400お願いしますね」と頼まれる。
「初めてなので200ではダメでしょうか...?」と言ってみたのだが、「この体格ですもの、余裕ですよ!」と笑顔でかわされてしまう。

小柄で華奢に育ちたかった。

さらに血液検査に進み腕を出すと「すごい!いい血管!」と血管大絶賛。「どちらの腕でもいけますよ。どっちがいいですか?」だって。左腕から献血することに決め、右腕から検査用の採血。献血できるかどうか確認するのだ。
すると今度は「すごい!とってもいい血だわ〜」と血液大絶賛。採血担当の看護婦さんもはりきり出す。

そ、そんなにいい血ですか。

献血用のシートに仰向けになり左腕を出すと、おもむろに手を握られた。「あらっ!冷たい!」。
そう、私はかなりの末端冷え性なのだ。手がものすごい冷たいとわかるやいなや、看護婦さんは素早くホッカイロを取り出し、それを握ったり、開いたりしろと指令を下す。わけがわからず指令に従う。全く痛いことはなかったのだが、腕の力が抜けて全然グーパーできない。看護婦さんは「ハイ!がんばって!握って!開いて!」と無情な声援をくれる。
ふにゅ〜。握れましぇん。
手先が冷たいのが原因なのか、私はとってもいい血液をもっているらしいのに、出てくるのがとっても遅いらしい。私が献血している間に他のシートはどんどん人が入れ替わっていく。ちょっと不安になっていると、「ちょっと吸いましょうかね」みたいなことを言われた。
ど、ど、ど、どーゆーことですかっ!?
何かのスイッチが入れられ、シュポーッ、シュポーッと明らかにポンプ的なもので規則的に私の血液が引っ張られていく感触。
す、す、吸われている...。
3〜4人に追い抜かれようやく私もゴール。別に痛いとか貧血を起こしたというわけではないのだが、長時間針を刺されている感触とポンプのシュポシュポ感とにぐったりしてしまった。
しかもその年の会社の健康診断で「血液の赤血球減少、要観察」などという検査結果をいただいてしまう。献血以外に身に覚えがない。あぁ、他人に分けてる場合じゃなかったんじゃ...?

初体験がこんなだったので、献血に対してますますビビりになってしまい、今回もどうしようか迷ったのだが、200なら大丈夫だろうと献血することにした。
受付で問診票を書き、200でお願いしますと申し出る。
すかさず受付の人が「えぇっ!?400でお願いしますよ〜。余裕ですよ!体重○○キロもあるんですからぁ」と具体的に体重まで言って説得してきた。ほんっと小柄で華奢に育ちたかった。
でも、今回は負けない。以前の献血で赤血球が減少してしまった旨を伝え、200でと再度申し入れると「誰でも少しは減るんですよ、大丈夫ですよ、回復しますよ、400いけますって!!」とすんごい食い下がられる。

そんなにいい血ですか..?

検査採血に行くと、前回同様またしても血管を褒めちぎられる。
そして採血。またまた同様に血液を大絶賛される。一緒に行った同僚は比重が足らずにここで献血を拒否されてしまった。
あたしの血液の大歓迎っぷりを分けてあげたいくらいだ。
「女性はね、やっぱり生理もあるし、ダメなこともあるんですよねぇ。でも大丈夫な人はホントいつでも大丈夫だったりするんですよ。うふ。」って看護婦さん。
はい。いつでも大丈夫な女性です...。
左腕を差し出すと、またまた同じように「冷たい!」って言われてホッカイロ。
でもって、後から始めた人2人、(しかもひとりは400の人)に追い抜かれようやく終了。バスをおりる時、にこやかに「次は400お願いしますね!」と見送られる。
ジュースをもらいにいくと「おつかれさま!特別に2本あげるから次回は400お願いしますね」と。
部屋を出る直前には受付の人に再度つかまり「おつかれさまでした。400いけたでしょ〜?次回はチャレンジしてねっ」って。
部屋を出ると会社に工事で出入りしているおじさんに「お?献血か?400か?」と聞かれる。「200です」と正直に告げると「えー!?ダメダメぇ。400いっとかないと!」って、献血部外者にまでダメ出しされる始末。

みんなどれだけあたしの血欲しいんですか?そんなにいい血ですか?あたしってよっぽど健康そうな見た目なんだな。
血液が誉められるのは嬉しいことなのだが、自分の見た目が、自分が思っている以上に頑強そうなんだなと思い知らされ、女の子としてちょっと悲しい。

小柄で華奢...。憧れちゃうなぁ...。一度くらい献血拒否されたいなぁ...。
by yukiya-13 | 2005-07-24 20:05 | 日常日記★ユキ印
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